スライドレールの構成部品
アウターメンバー
スライドレールの主断面において一番外側に位置するC字型のメンバー。通常はキャビネット側に固定し取り付けられる為、キャビネットメンバー(固定側メンバー)とも呼ばれる。対して引出側のメンバーをドロワーメンバーと呼ぶ。
インナーメンバー
スライドレールの主断面において、一番内側に位置するメンバー。通常は引出側(移動側)に取り付けられるためドロワーメンバーとも呼ばれる。
中間メンバー
3メンバースライド(ダブルスライド含む)の主断面において、アウターメンバー(キャビネットメンバー)、インナーメンバー(ドロワーメンバー)の中間に位置するメンバー。インター、センターメンバーとも呼ばれる。
アクセスホール
スライドレールをネジ止めする際に使用するネジ、工具を通す穴。
L金具(脱着タイプ)
スライドレールから取り外しする為の脱着機能を備えたL字型金具。通常は引出側に取り付けられ、脱着レバーまたはクリップの操作により、スライドレールを取外す事ができる。
キャッチ(機構)
スライドレールを全閉させたときの保持機能パーツ。樹脂タイプと金属製ばねタイプがある。
フリッパーロック
引出時に中間メンバーが引き出された状態を保持しておくためのロック部品。なお収納時にはインナーメンバーが中間メンバー内に収まった時にロックが解除される。
リードインスティック
インナーメンバーが引抜きできるタイプのスライドレールで、ドロワーメンバー(移動側メンバー)を再挿入する際にガイドとなる樹脂パーツ。
スライドレールの機構、規格など
シーケンシャル機構
序列機構とも言う。3メンバースライド(ダブルスライド含む)で全開時には、中間メンバー→ドロワーメンバー、全閉時にはドロワーメンバー→中間メンバーの順に開閉する機構。(シーケンシャル機構でレールを動かすことによりレールの寿命は長くなる。)
ボールロック機構
引出・収納時における簡易保持機構。アウターメンバーのボール転動面に突起を出し、ボールが同突起部を乗り越え、簡易的なロック機能を形成する。
定格荷重
インナーメンバー及び取付幅(通常は400mm)の中央に荷重をのせ、10,000回(往復)の作動を行ったときに耐えうる荷重。(定格荷重の定義は、メーカーによって異なる場合がございます。ご注意ください。)
ブレーキストップ
スライドレールが摩擦抵抗によりストップすること。フリストレクションストップとも言う。(更に強く引く(押す)事により、引きぬける。)
ボールクリープ
オールのずれの事を言う。スライドレールはリテーナーによりボールが保持されており、通常はインナーメンバーが 2 移動すると、ボール(リテーナー)は 1 移動する。(つまり2:1の関係がある。)この規則性が崩れ、リテーナーが本来の位置に無い事を指す。
トラベル(T)
スライドレールを最大に伸ばしたときの移動距離のことで、ストロークまたはスライド量とも呼ばれる。スライドレールの長さ(L)を基準とした場合。イコールトラベル(T≒L)、オーバートラベル(T>L)、アンダートラベル(T<L)の3通りがある。